【ととけん】2023年1月問題
Q1. 正月明けに立ち寄った静岡県焼津の駅前の食堂で、黒板に書かれたお品書きから、この地の名物ときいた2品を注文しました。この2品を選びなさい。[2021年(第12回)3級(初級)から]
➀いかにんじんとサンマのぽーぽー焼き
➁黒はんぺん焼きとカツオの刺身
➂サスの昆布締めとゲンゲの干物焼き
➃松前漬とイカソーメン
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【解答】➁黒はんぺん焼きとカツオの刺身
【解説】静岡ではんぺんといえば、見た目が灰色がかった黒はんぺん。焼津漁港に水揚げされるサバやイワシを骨ごとミンチにしたもので、色黒ながら魚のうまみがたっぷりとつまっている。またゴツゴツとした食感とむっちりした歯ごたえも特徴だ。焼津は国内有数の遠洋マグロ・カツオの水揚げ地だ。港にいくと、真っ白に凍ったマグロ(ミナミマグロ)やカツオが船からおろされる光景を目にすることがある。でてきた黒はんぺん焼きは少し甘くて香ばしいはんぺんが3枚のっている、ごきげんなひと品だった。この季節にどうかと迷いつつ、相席客がうまそうに食べているのを見て、カツオの刺身を注文してみる。刺身をひと切れ口へ入れると、すぐにごはんをほおばりたくなるようなカツオだ。遠洋ものだろうと思いつつ、常識的には旬ではないがたいへんうまかった。この時季に、こんなにうまいカツオを食べられるなんて。トクした気分で店を出たのだった。?は福島県のいわき市や浜通りで、?は富山県内ならどこでも出あえそう。?は函館の名物。
Q2. 都道府県のシンボルとして、郷土を代表する魚介を「県魚」と選び定めています。そのうち、貝を県魚にしているのはただ1県だけ。その貝の日本一の産地でもある、この県を選びなさい。[2022年(第13回)2級(中級)から]
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【解答】➂広島県
【解説】「県魚」を定めている都道府県のうち、カキを県魚としているのは、全国生産の6割を占める広島県。広島のカキ養殖の中心地、広島湾には太田川など複数の川がそそぎ、餌となる植物プランクトンを増殖させる栄養分が豊富だ。波が静かで、カキの幼生も湾外に流出しにくい。養殖が始まったのは室町時代。昭和初期までの約300年間は、干潟に建てた木や竹で養殖していた。戦後、竹いかだを使った手法が考案されると、漁場が沖合に広がり生産量が急拡大した。広島県では生食用や鍋向けに、むき身の生産が中心だ。?愛知県と?熊本県の県魚はともにクルマエビ。?三重県は伊勢えび。
Q3. もとは北方海域で成長し秋に河川にのぼり産卵する魚でしたが、適応力が高いことから各地の湖などに移植され、今ではほぼ全国の湖沼に生息しています。霞ヶ浦周辺では「いかだ焼き」が、諏訪湖では「紅梅煮」が名物になっているこの魚を選びなさい。[2022年(第13回)1級(上級)から]
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【解答】➃ワカサギ
【解説】湖でのワカサギ釣りのイメージが定着していることもあって、ワカサギは淡水魚と思われがちだが、実際には海水魚に分類される。水温や水質に対して適応力が高いため、湖や沼などにも生息できる。日本最大の漁獲量を誇る青森の小川原湖、そして茨城の霞ヶ浦、秋田の八郎湖、北海道の大沼、アマサギ、シラサギといった風雅な名で呼ばれる島根の宍道湖などが有名な漁場である。江戸時代に始まった霞ヶ浦のワカサギ漁は7月から12月まで。脂がのり骨がやわらかいことが特徴といわれる。地元ではこの特徴を生かした「半生の煮干し」を食べるのが伝統だ。いかだ焼きや甘露煮、佃煮などの加工品は名産として昔と変わらず親しまれている。諏訪湖でワカサギがとれるようになった昭和初期から。ワカサギを梅と一緒に煮詰めた紅梅煮は諏訪湖畔の名物。からっと米油で揚げたワカサギに塩をまぶした塩味と、砂糖じょうゆのタレをくぐらせた甘辛味がある。どちらもあっさりとしていて風味よく、サクサクとした食感がたまらない。酒の肴として上々だ。漢字で公魚と書くのは、江戸時代に常陸国の麻生藩が霞ヶ浦のワカサギを幕府に献上し、「公儀御用魚」として扱われたためと伝わる。
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